2014年4月7日月曜日

artist vol.2

待ち合わせの場所ににこにことやってきた彼女は可愛らしい印象の女性。
それが作品を語る彼女の言葉にはとても熱い想いが込められていた。





「自分を高めるために心がけていることは?」
こう聞くとスラスラと台本を読んでいるかのごとく頭の中にある言葉が飛び出した。

「絵や写真、映画からインスピレーションを得ています。特にヨーロッパの作品が多いですね。色彩、世界観、イメージ、それを使っている人の雰囲気やその場の空気感、そのすべてが自分の想像力をかき立ててくれます。」

自分の軸を知っている。そう感じるほどに彼女の発する言葉には隙がない。
さらに
「可愛いという印象のものよりも伝統的なものや民族的なものが好きです。古き良きものにこそ心奪われるんです。」と続けた。
可愛らしさと大人っぽさ、その両方が同居した少しアンバランスなものに惹かれるという。
それは私が彼女自身に抱くイメージに似ている。まさに彼女の作品は彼女そのものに他ならない。
職人としての頑固さと人としての許容と両方を併せ持つ、そんな人でありたい、と彼女は言う。





「作品作りをやっててよかったなあと思うことは?」
「渡した人が喜んでくれたこと」そして「自分を表現できること」
自分も相手も楽しむ。これは職人女子共通のテーマかも知れない。
相手をイメージして作るので大量生産はできない。頑固職人のこだわり。

「最後にこの作品作りを通して伝えたいことは?」
小さな田舎町で見つけた素晴らしいもの、そこに自分の表現を加えて作り伝えていきたい。
そしてそれがそこにあるのが当たり前のように、いつも側に置いておきたいものになって欲しい。
彼女がこだわることは決して派手であったり、流行であったり、そういうものではなく、ずーっと続いていくもの、愛され続けていくものなのだ。





小さな灯のともる部屋に何年経っても同じ場所に同じ顔をして置かれている、ほっとする。
そんな居心地の良さを彼女の作品から感じる。
熱くはないが決して冷めることのない灯。







松尾彩さん プロフィール              


1977年長崎生まれの岡山育ち
2000年に上京
いろいろ楽しく東京生活を過ごしつつ
フランス文化にのめり込む
2000年から2006年の間に何度もフランスに
通いつめ2006年から2009年まで住みつく
フランスオートクチュール刺繍に出会い
アトリエに通う
今でもフランス刺繍の奥深い魅力は褪せる
ことなくマイペースに活動中

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